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【問題発見】そもそも問題とは何か?

ビジネスには、些細なことから大きなことに至るまで、多くの問題が存在しています。
そしてそれらの問題を解決していくことが、仕事では求められます。
ただ、問題を解決する以前に、何が問題なのか?そもそも問題とは何なのか?を分かっていることが非常に大切になります。
この記事では、そもそも問題とは何かについてご説明いたします。

1.問題の定義

「問題」という言葉は日頃何気なく使っている言葉ですが、改まって「問題とは何か」と考えると、なかなか即答できません。
簡単に言うと、問題とは、「解決すべき事柄」のことです。
もう少し丁寧に言いますと、問題とは、「"あるべき状態や目標"と"現状"との差(ギャップ)」であり、かつ「その人や所属する組織にとって解決しなければならない事柄」のことです。

2.問題の分類

一口に問題といっても、問題には様々な種類があります。
問題を解決するにあたって、今自分の抱えている問題がどのような種類のものなのか分類することも大切です。
分類の仕方にも様々な角度がございますので、この記事では2つのパターンをご紹介したいと思います。

■問題の発生の仕方による分類

(1)日常ぶつかった問題
これは日常の仕事をやっている最中に生じた問題で、「商品の破損」とか「商品の発注ミスによる納期遅延の発生」などがそれです。

(2)与えられた問題
これは上司や他部門から指示されたり、依頼された問題です。
「現在の粗利益率をさらに1%アップさせよ」とか「ある商品の販売数量を20%アップしてほしい」というのがそれです。

(3)創り出した問題
現状はともかくうまくいっているが、「これでいいのか」、「もっと向上すべきではないのか」といった疑問を発することから、積極的に問題を掘り起こし、新しく創り出した問題のことです。
「お客様からの問い合せ対応を現状の半分の待ち時間にする」とか、「業界の先進情報を共有化し、顧客への提案活動を充実させる」、「在庫点数の絞込みおよび代替品化により在庫高及び在庫コストを削減する」などです。

■原因と対策の二軸による分類

この分類方法は下図のように、問題を原因と対策の判明度によって分類する方法です。
(1)簡単な問題
この種の問題は、原因が簡単であり、取りうる対策の内容が分かっているといった問題です。
この問題は、これまでの知識、経験、技術などをもとに知恵を絞り出すことによって、問題の解決が図れるケースです。
たとえば、「伝票の記入ミスが多いので、記入事例チェック表をつくり、これによって確認チェックする」、「液温の管理ができていないので、温度計を配置し、これにより調節する」などです。

(2)高度な技術を要する問題
職場の現状から原因はつかめているが、対策は分かっていない問題です。
たとえば、「新しく競合が進出してきたため、売上高が減少した」、「低価格競争に巻き込まれ、今までの見積価格での失注が目だってきた」などです。
この問題については、一般に高度な判断や対策を要する場合が多いので、上司やスタッフの力を借りないと解決できない場合が多いといえます。
問題(1)、(2)について注意を要することは、原因がわかっているというものの、原因と思い込んでいたことが、意外に真の原因でないという場合があることです。
従って、その原因が真の原因であるかどうかを、色々な角度から確かめてみることが重要です。

(3)対策はわかっているが注意を要する問題
この場合は、原因は分からないが、対策の方法がわかっている問題です。
簡単に言えば、目の前で発生している問題をとりあえず対処するということになるので、この問題は注意しなければなりません。
原因が分かっていないまま対策を打つということは、現象に対して対策を打つということになるので、根本原因の解決にはならないことが多いのです。
たとえば、「顧客からの品質不良のクレームが発生したので、出荷時の品質チェック工程を追加して不良品の事前発見ができるようにした」などということがあります。
この場合は、本当の不良品の発生原因はつかまれておらず、根本的な再発防止対策は打たれていないということになります。

(4)未知の問題
原因も対策も不明で、最も難しい問題です。
この種の問題は、経営者や管理職が中心になって解決に取り組む問題となります。
たとえば、「重点商品の粗利益率の向上」、「低迷している主要得意先の業績回復」、「ピッキング時間の低減」、「ムダ・ムラ・ムリの排除による販売活動の効率化」などです。
この問題は、問題解決の手順に従って、全社で組織的に取り組まなければ解決は出来ません。
解決するのは非常に困難な問題ですが、解決の結果、得られる効果はそれだけ大きくもなります。

3.まとめ

当然のことですが、問題を解決するためには、そもそも問題があることを認識しなければ始まりません。
しかし、実はここが案外一番難しいところかもしれません。

問題とは何かでもお話したように、問題とは「"あるべき状態や目標"と"現状"との差(ギャップ)」のことです。
なので、その問題を発見するためには、「あるべき状態や目標」と「現状」を正確に把握しておくことがスタートになります。
そのいずれかが欠けていては問題が何かを明確にすることもできません。

そして、このように、問題を発見することができたら次ステップとして、「どうすればその問題を解決できるか」を考えることになります。
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